2015 Oct.-Dec.

JAA会長からのご挨拶
日系社会へ更なる貢献を
スーザン・J・大沼

ニューヨーク日系人会(JAA)は20年ぶりに移転して、新会館JAAコミュニティーセンターとして発足し、会員の皆様のご支援とご協力で、一年が経ちました。この一年間、多くのイベントがJAAコミュニティーセンターで開催され、多くの会員の皆様も訪れたと思います。

このコミュニティーセンターは50以上の団体が利用し、団体の定例会、県人会、同窓会、生け花ワークショップから勉強会と年間数100のイベントが開催されています。多くの方々が、ニューヨーク日系人会は日系人のための団体だと思っているようですが、私たちは、100年以上に渡り、ビジネスや学術研究、結婚などの目的で渡米した日本人とその家族の集まりであり、多くのサービスを提供してきました。終戦後、「日本救援紐育委員会」を設立、ララ(LARA-Licensed Agency for Relief in Asia)物資として日本を支援し、そして、戦時中キャンプに収容されていた日系人のニューヨーク地域への移住にも協力してきました。今、当時米国に住んでいた日本人・日系人の葛藤とチャレンジを描いたミュージカル「Allegiance 忠誠」がブロードウェイで好評上演されています。是非ご覧ください。(公演は2月14日終了)

私たちは、出来る限り、総領事館を始め、若い世代をも含むニューヨークの諸団体と協力し、多種多様な活動を展開したいと思っています。昨年は、恒例の春の「桜ヘルス・ウイーク」と秋の「シニア・ウイーク」(昨年は期間を4週間に広げ、1500名以上の参加者がありました)に加え、日本クラブや米国日本人医師会と共催でのパネルディスカッションや補習校同窓会や他の団体とのネットワーキングイベントも行なってきました。そして、今も、5年目となる東日本大震災救援活動を継続している数少ない団体です。私たちは大変誇りに思っています。皆様や、皆様の家族、友人にとり、その時々の状況により、ニューヨーク日系人会が有って良かったと思われる場所にしたいと思っております。そのためにも、JAAコミュニティーセンターの更なる発展に向けて皆様の御支援、ご協力をお願い致します。私たちは今後も、幼児から高齢者まで幅広い層を対象に、ニーズにあった企画を展開していきます。会員の皆様を始め、どなたでも参加できる新年会を2016年1月27日に開催します。ニューヨーク日系人会の役員理事、そして、活動を知る良い機会だと思いますので、是非ご参加下さい。

最後に、JAAの多種多様な行事を円滑に企画運営しているボランティアとJAAスタッフに感謝すると同時に、会員、ドーナー、スポンサーとして、JAAを支援して下さっている皆様に、心から御礼申し上げます。

2016年が皆様にとりまして、素晴らしい年でありますようお祈りいたします!

2016年度役員
会長：大沼スーザン
副会長：安西弦、東ジュリー、廣村デビッド、本間俊一、石田圭子、伊藤リキ、岩原誠、満仲恒子、
村瀬悟、小野山弘子、大島襄、大島聖子、ポーツ・寺田スキ、ラマル・カマール、佐藤貢司、竹田勝男
主事：佐藤貢司
副主事：東ジュリー
会計：大島襄

★新役員プロフィール
■安西弦(あんざい・ゆずる)
1984年、千葉大学医学部卒業、同年日本医師免許取得。1984年から86年まで、神奈川北里大学病院にて産婦人科研修。1986年渡米。ニューヨーク、マウントサイナイ大学病院にて、子宮体癌、乳癌の基礎研究に従事。1991年から95年まで同マウントサイナイ病院において、産婦人科臨床研修。1995年からニューヨーク大学病院勤務。現在、産婦人科医、Assistant Professor, NY Midtown OB/GYN 院長、米国日本人医師会会長。日系人会と医師会が協力していきたいと話しています。

■下村昌樹(しもむら・まさき)
1990年、ペンシルバニア州にあるMillersville University of Pennsylvaniaに留学、会計・ファイナンスを専攻、卒業後、ニューヨークの会計事務所に就職し、2002年に下村会計事務所を設立、今に至る。ペンシルバニア時代は、少なからず差別を経験しましたが、ニューヨークでは何の不自由もなく、生活を送る事が出来ています。これも日系人の大先輩の方々の苦労と努力があったからだと思っています。これからはアメリカにおける日系人の歴史を勉強し、少しでも多くの方々に日系人の方々の功績を伝えていきたと話しています。

■八木秀峰(やぎ・しゅうほう)
1975年、27歳で再渡米。ニューヨークでレストラン向けに青果卸業を始め、1980年代からはレストラン経営に事業を拡張、現在は「波崎」を始め「しゃぶ辰」「酒蔵」「蕎麦屋」など多くのレストランを経営。日本で忘れ去られつつある素材や伝統的な食の供し方、食し方をニューヨークで守りたいと語る。そして、われわれがあるのは、先輩たちの努力があってのことと、今後も日系コミュニティーへの支援活動も続けて行きたいと話しています。(詳細は前号「日系人会」の顔をご覧ください)

年次総会・新年会
1月27日（水）から
1月27日(水)午後6時から年次総会と新年懇親会を開催します。2016年度の役員・理事、各委員会の委員長紹介を行い、その後、午後6時30分から、新年会を行います。JAA音楽賞受賞者による演奏が披露されます。会費50ドル、問い合わせはJAA事務局まで。

JAA108周年記念晩餐会

2015年12月4日、大きなクリスマスツリーが飾られたハーバードクラブのグランドフロアにおいて、髙橋礼一郎大使ご夫妻を始め、日系企業やコミュニティから170人のゲストを迎え、108周年記念晩餐会を開催しました。ビル・デ・ブラシヲ市長、ミッチェル・シルバー公園課長官、ゲール・ブルーワーマンハッタン地区委員長等から、お祝いのメッセージが届きました。

カクテルやサイレントオークションを楽しんだ後は、グランドホールでの晩餐会です。リンゼイ・ボガティのクリスマスソングで始まりました。スーザン大沼会長の開会の辞、在ニューヨーク総領事館総領事髙橋礼一郎大使はこの一年間のJAAへの感謝と来る年の日系人会の活動への期待をのべました。

食後は、ジャズピアニストとして日米で活躍中の大江千里さんの演奏と、新進バイオリニスト三井エリカさんの演奏を楽しみました。

小野山弘子副会長からのサイレント・オークションの報告、カマール・ラマニ先生の謝辞にて晩餐会は終了しました。ジャーナリスト津山恵子さんが司会を務めました。

Gold table: Mitsubishi Corp. (Americas)
Silver Table: Japanese Medical Society of America
Bronze tables: Toshio Kiso, Gary Moriwaki, Hiroko Onoyama, Masaki Shimomura and Bon Yagi
Donation: JCC Fund, Daiei Trading, NTT America, Inc., Kokoro Foundation 等
多くの皆様のご支援に御礼申し上げます。

米国で日本語を教える教師会「北東日本語教師会(NECT)」(会長:津田和男)の招待で、4人の高校生、福島工業高等専門学校コミュニケーション情報学科1年の猪俣 未来、仙台向山高等学校所属 2年の橋浦優斗、宮城県古川黎明高校2年の横山温香、東北学院榴ケ岡高等学校3年生の中鉢萌寧がニューヨークでホームステイをして、米国の文化や同世代との交流を行う目的で訪米中の10月27日夕方、JAAを訪問、各自の震災の体験やボランティア体験を通して、被災地の未来計画や各自の将来について、発表しました。

ある学生は、宮城県の女川町での英語でのボランティア活動に参加して、女川町の漁業産業を優先した復興作業がより早く地域の活性化につながった体験や、福島県浪江町出身の学生は、小学校6年生の卒業式の練習後の帰宅準備中、地震となり、津波が来るとの事で、ジャケットも着ず、低学年児童の手をひき、必死で寒い山へ駆け登り、ある子は靴が抜け、大変寒い思いをしましたと話していました。その上、原発事故で、そのまま避難所などを転々として、現在、宮城県に在住。福島県の原発被災地は他の被災地と違い、映像での記録が少ないので、絵本で、震災当時の記録を作成、その本を通して、正しい情報を伝えて行きたいと話しました。4人とも、被災した体験を受け止め、救援してくれた方に感謝して、将来は、地域社会の為に働いきたいと話していました。参加者一同大変感銘しました。JAAは過去4年間この絆プロジェクトを支援してきました。

東日本大震災救援基金からの報告
12月2日にゲーリー森脇救援基金委員会委員長を始め、スーザン大沼会長、デビット広村、カマール・ラマニ、竹田勝男、金重由紀各委員が集まり、委員会を開催。今後の支援先を下記の通り決定しました。

1：岩手県遠野市復興支援をしている「遠野まごころネット」に5万ドル
2：被災地の学生支援をしている「北東日本語教師会(NECT)」に5000ドル
3：被災地の若い企業家を支援する「World in Tohoku」に5000ドル

後任として石塚勇人領事部長が着任されました。1月27日の年次総会新年会で、会員の皆様にご紹介いたします!

秋の日本語研修会は10月24日に26人が参加し行われた。テーマは 「伝統日本文化と日本語教育」。
午前中はニューヨーク大学の黒河和恵先生が学生に教えた落語、そして日本から落語家を招いて笑いの原点など聞くことができた経験を発表した。

ジャパンソサエティーからはディレクターの上村智代さんの能のセミナーの紹介があり、郭思妤先生からは能の基本的な知識の説明があった。

午後は国連国際学校からジェフリー・ヴァンカーク先生がアメリカの高校生に英語の俳句を教えている経験を話した。

日本語教育と伝統文化は深いつながりがあり、改めてその意義を考える良い機会となった。今後も、また広い視野から伝統文化の研修会をする予定。
小玉修子 記

JAA恒例グランドバザー
大盛況！

JAA恒例のグランドバザーを11月7日、多くのお客様を迎え開催しました。ホリデー･シーズンのギフトに最適な商品などが多数揃えられ、売り上げも1万1000ドルを超えました。ボランティア特製の水羊羹、カレーライス、ちらし寿司やBentonからの焼き鳥、焼きそば、竜田揚げ、そして、伊藤園からお茶ボトルが食品コーナーに並びました。午後1時からラッフルの抽選会を行い、特賞のデルタ航空の米国内線往復ベア航空券は森国忠さんにあたりました。
寄付をお寄せくだいました皆さま、準備や当日にお手伝い下さいましたボランティアの方々、ご協力ありがとうございました。

JAAーHAA
ネットワーキング　

12月16日、JAAホールでニューヨーク近郊の日本語補習校同窓会とJAAコラボで、80人の若者が集まり、活気溢れるネットワーキングパーティーでした。

11 月19 日(木)、米国日本人医師会(JMSA)、 ニューヨーク日系人会(JAA)、日本クラブの共催、パネリストに新名美次医師(眼科、マウントサイナイ医科大学、ニューヨーク医科大学准教授)、本間俊一医師(循環器系内科、コロンビア大学医学部教授)、柳澤貴裕医師(内分泌内科、マウントサイナイ医科大学教授)を迎え、日本クラブで開催されました。司会は、スーザン大沼・日系人会会長と、安西弦医師(産婦人科、JMSA会長)。
最初に大沼JAA会長から、ニューヨークの日本人社会の発展は、日本クラブ創設の高峰譲吉博士、日系人会のルーツである日本人共済会創設者の高見豊彦先生の努力なくして始まらなかったと話された。その後、新名先生が野口英世を含む日本人医師の歴史について話し、現在の医師の現状を体験談を通して、本間先生と柳澤先生が話された。現在の米国の医療問題についてもディスカッションが続きました。

今年は、12月18日(金)午後6時から、JAAホールにクリスマスツリーを飾り、JAAコーラスのクリスマスソングで始まり、三上クニさんのジャズピアノ、西条アキさんの歌、Katya Grinevaさんのクラシック・ピアノ、入浴亭￠さんのギターとヴォーカルでのクリスマスソングを楽しみました。

この会はボランティアの慰労会を兼ねていましたので、約100人が参加。大沼会長がボランティアに感謝の言葉を述べ、敬老会、シニアへのヘアカット、毎月のメーリング、野球のボランティアの皆さんに、感謝状が手渡されました。

ラッフル特賞受章者田中昌子さん（左）と 満仲恒子副会長	(左から）髙橋（俊）さん、ボルスターさん、 加藤さんと大沼会長	敬老会ボランティア
ヘアカット・ボランティア	JAAコーラスのパフォーマンス

感謝状受章者
They worked more than 50 hours as volunteers in 2015.

敬老会ボランティア
田中昌子、白川理恵、佐々木洋子、中野敬子、清水広子、鈴木奈美恵、笠間芙美子、橘髙良子、
服部利枝、片山信子、ハンター今日子、髙橋めぐみ

野球大会ボランティア
加藤脩治（JAA野球大会で30年以上貢献されています）、髙橋俊輔

シニアのヘアカット・ボランティア
田原ミチ、小須田シゲ、髙橋俊輔、佐々木ノリ、窪田トシ

郵送手配ボランティア
ボルスター勝子、桜沢東子、高嶋律子、大谷ミチ

八木秀峰社長（T.I.C. Group）
敬老会ボランティアを酒蔵で慰労

今年も12月28日、敬老会やメーリング、図書室ボランティアの皆さんは酒蔵の美味しい蕎麦で、もてなしを受けました。八木社長ありがとうございました。そして、敬老会ボランティア皆さん、この一年間美味しい季節のランチを作っていただきありがとうございました。お疲れ様でした。

●10月の月例会
「さをり織りの世界とは」

10月14日、「さをり織りの世界とは」と題して、さをり織りのスタジオを主催するさとねゆかさんと、さをり織のアーティスト鶴田信子さんを迎え、さをり織りの良さと世界観を実演と一緒に話してもらいました。「世界で一つしかない自分の布織る」そして身にまとう喜びを話しました。

●11月の月例会
「カリスマ美容師・時枝弘明氏を迎えて」

11月16日、カリスマ美容師時枝弘明氏、通称Tockyさんを迎えて、「10歳、若く見られる秘密を教えます!」と題して、講演会を行いました。毛根を健康にすることが若さの秘訣であり、年齢を課された女性はメイクでは、パーツを生かした引き算メイクが大切であると話しました。

We thank the following organizations and individuals for their generous support！

•ニューヨーク男声合唱団より9月21日の創立25年日米合同コンサート（at New York Society For Ethical Culture）の入場券50枚。
•ニューヨーク混声合唱団より11月21日の定期演奏会（the Church of the Holy Trinity）の入場券20 枚。
ありがとうございました。

■11月の敬老会
●11月12日　敬老会
14名のボランティアの皆さんの奮闘で140人分のビーフシチュー、サラダ、デザートを作りました。すべての方が美味しく頂きました。食事の前はJAAコーラス、食事の後は、 Iwaki Bandとカラオケを楽しみました。宇多田侑子さんと小林利子さんによる紙芝居と折り紙が披露されました。30個のランチデリバリーをしました。

11月のお誕生日の皆さん

■12月の敬老会
●12月10日　年越し敬老会
恒例の今年最後の敬老会「年越し・お節敬老会」を開催しました。ボランティアが3日間かけて料理したお節料理を頂き、今年一年の息災を喜び、来る年の健康を祈りました。100人以上の参加者とボランティア15人でJAAホールは活気にあふれました。38人へのランチデリバリーをしました。

今年も、サンライズマートの好田忠夫社長の長女絵里奈さんからスーザン大沼JAA会長に、サンライズ・マートギフトカード(50ドル)150枚がクリスマスプレゼントとして、加えて2500ドルのチェック、総額1万ドルの寄付が渡されました。

食後は、12月のお誕生会Iwaki Band によるクリスマスソングや懐かしい歌の数々を楽しみました。そして、伊藤さちよ舞踊団の優雅な日本舞踊にみなさん見とれていました。お食事と余興を楽しんだ一日でした。

12月のお誕生日の皆さん	好田絵里奈さん（左）と大沼会長	ボランティアの皆さん
伊藤さちよ舞踊団	伊藤さちよ舞踊団

会員・佐久間芳子さんが11月25日、入院先の病院でお亡くなりになりました。享年86歳。佐久間さんは、敬老会ボランティアとして、長くJAAに貢献して下さいました。
ご冥福をお祈りいたします。

12月末に、「2016年度の会員更新フォーム」をお送りいたしました。皆さまの引き続きのご協力をお願い致します。現在JAAでは、災害や緊急時により迅速に対応し、皆様の安全確保を図りたいと思っておりますので、更新フォームには緊急連絡先をご記入下さい。特に一人住まいの方は、確実に日米での緊急連絡先をご記入下さい。皆さまの個人情報はすべて守秘され、氏名、住所、電話番号、EメールアドレスはJAAでのみ使用、会員の皆さまの許可なく外部に出されることは一切ありません。皆さまのご理解をお願いいたします。

JAAからのお知らせは郵送よりも迅速にEメールで受信出来ます。ご希望の方はinfo@jaany.org にご登録下さい

Allegiance (C) Matthew Murphy

ブロードウェイ
「ALLEGIANCE・忠誠」

1941年、戦時収容所に送られたキムラ一家。戦争により親子3代に生じた各自の異なる気持ちが織り成す物語。「移民の国アメリカでの戦争体験を伝えていく」主演のジョージ・タケイ氏と「ミス・サイゴン」のスター女優リア・サロンガさんの熱演。2月14日で公演終了。
■会場:Longacre Theater Broadway
220 West. 48th Street
■詳細&チケット
www.allegiancemusical.com
■電話:212+239-6200
★割引コード ALBWFAN109 が2月5日まで有効です。ぜひご利用下さい。

歌舞伎・能・狂言
at Carnegie Hall

日本を代表する役者(市川海老蔵、片山九朗右衛門、梅若紀彰、観世喜正、茂山逸平、亀井忠雄・人間国宝)が3月1日(火)午後8から、カーネギーホールで一挙に公演します。JAAは、この歴史的なパフォーマンスに協力しています。スポンサー席(半額が税金控除対象)と一般席($50～$500)はJAAを通してもご購入いただけます。日本でもめったに行なわれないこの催しにぜひご参加下さい。詳細はJAA事務局まで。